総展望

S班からは当所開催のKEIRINグランプリ2018準Vの浅井康太、61周年記念(H26年2月)の覇者武田豊樹が参戦予定。2月のGⅠ全日本選抜競輪では対照的な結果の両者。浅井は決勝進出を目の前にして、まさかの過失落車で失格。武田は昨年続いたGⅠでの悪い流れを断ち切り優参を果たした。浅井は本開催で汚名返上を狙いしっかり調整しての参戦と見たい。その準決勝で浅井マークから優参の吉田敏洋も参戦で、底力がある二人の前後は流動的だが、どちらが前でもV争いをリードできる強力な連係。今年最初のGⅠで決勝進出の武田は、完全復活とはいかないまでも流れは好転。トップクラスで戦い続けた経験の差は簡単には縮まらないだけに、まだまだアドバンテージが大きい。61周年を制した時も追走義務違反による罰則で、長期出場停止から復帰した苦しい時期。当記念Vから見事な快進撃を果たしただけに、再度本記念からV字回復といきたいところ。弟子の吉澤純平との連係で当記念二度目の制覇を狙う。吉澤も全日本選抜競輪のファイナリストで3着入着と好調。パワフルな機動力を発揮すれば当記念初制覇にも手が届く状態。昨年の覇者古性優作は連覇を目指しての参戦。タテ・ヨコ自在のオールラウンダーでバランス感覚なら輪界でも屈指。鋭い加速力の機動型稲毛健太中井俊亮、差し脚鋭い東口善朋との連係で強力ラインを形成。番手を回れば強烈なブロックがあるだけに、ヨコを通り過ぎるのは難しく別線にとっては脅威になるはず。中四国からは好調な原田研太朗香川雄介が参戦。近況の原田は仕掛けるタイミングがワンテンポ早くなり成績が上昇。2月の奈良記念では早めのまくり3連発で優参。展開を見過ぎず早めに仕掛ける勇気を持てるかが鍵。香川も状態はいい。全日本選抜競輪でも優参を果たし、しぶとさは健在。今シリーズには原田の他にもラインの若手機動型がそろいチャンスは十分。北日本勢はバランスのいい戦力がそろう。自力基本に展開次第ではヨコのさばきも武器の阿部拓真。追込型だが目標が不在なら、まくりも用意のタテ勝負もできる守澤太志。直線鋭く伸びてる和田圭も近況は好調で混戦なら面白い地区。九州勢には一撃がある北津留翼荒井崇博。シリーズのスパイスになりそうだ。

迎撃する地元渡邉雄太

渡邉雄太の進化が止まらない。先行・まくりの機動力に加え、近況では厳しい位置取りも見せる。メンタル面でも大きく成長。昨年12月の伊東記念では郡司浩平(神奈川99期)を目標に番手まくりで地元のプレッシャーに打ち勝つV。今やエースとしての自覚もあるだけに、ホームの記念たちあおい賞にかける想いは強い。昨年の当所グランプリシリーズ寺内大吉杯では逃げ粘って準Vと抜群のレース内容。年が明けても宇都宮、高知FⅠシリーズを連続Vとさらに勢いを増しているだけに、強敵相手でも当記念初Vの期待は大きい。援護は師匠の渡邉晴智をはじめ、岡村潤萩原孝之新田康仁が引き受ける。機動型には千葉の根田空史、神奈川からはタテ・ヨコ自在な桐山敬太郎や思い切りのいい仕掛けの堀内俊介がそろい戦力は充実。

新勢力にフォーカス

昨年のヤンググランプリ出場組から松本貴治佐伯辰哉。大一番で先行したのは松本。結果は8着に終わったが、スター候補がそろう中で主導権を握ったレース内容は高評価。佐伯は展開に柔軟に対応できるタイプで幅のある多彩な戦法も魅力。本開催でも大物食いがあるかもしれない。南関では松井宏佑と地元大石剣士。松井はスーパーダッシュの持ち主でカマシ・まくりが得意。大石は抜群の積極性で抑え先行を基本に組み立てる。二人の組み立ては対照的だがラインにとっては貴重な戦力。

S級ブロックセブン

S級ブロックセブンとは? 北日本地区、関東地区、南関東地区、中部地区、近畿地区、中四国地区、九州地区からS級選手の各1名が出場し、合計7名で争われる企画レース。

当たりやすさをコンセプトにした七車立ての単発企画レース。ラインの先頭で戦うのは長島大介野原雅也中本匠栄。長島には地元望月永悟がマークしそう。北日本の川津悠揮が東日本でまとまるなら、ラインは三車になり一番長くなる。野原には中部近畿で原真司がマーク。中本には西日本連係で棚橋勉がつければ、レースは三分戦の展開。接戦が予想されるだけに、ライン三車のアドバンテージが大きい長島が優勢とみる。先行主体に別線が叩いて出るなら、俊敏に三番手をキープしてまくる。番手望月とのワン・ツーが本線。互角の機動力を誇る野原は、近況まくりの決め手が多くはなっているが、順番がめぐれば一気のカマシ敢行で逆転を狙う。マーク原は野原の仕掛けが早めならゴール前差し迫る。中本もキレのあるカマシ・まくりが持ち味で、タイミング逃さず仕掛けた時には侮れない。展開を見過ぎずに大胆な仕掛けができれば一撃もある。力が接近する長島ラインと野原ラインが人気を二分しそうだが、第三勢力の中本からの狙いは高配当になりそうだ。